2022年5月27日、自民党青年局長が「岸田トークン」などのNFTを今後イベントや集会が行われた際に配布していくことを発表しました。
名前が衝撃的だったので、最初は何か「ギャグ」かと思いましたが、どうやら本当に発行するよう。
そして5月28日、集会が行われた際に「岸田トークン」が実際に配布されました。
Twitterやニュースで岸田トークンがどのようなNFTなのか見た方も多いと思います。
「岸田トークンって私も入手できるのかな?」「岸田トークンの買い方を知りたい!」と思った方も多いのではないでしょうか?
OpenSeaという大手NFT取引サイトでは実際に自民党のトークンが販売されており、入手したいと考える方も多いのではないでしょうか。
NFTの名称の右にある◇のマークはETH(イーサリアム)という通貨単位で、牧島かれん大臣トークンは5月31日のレートだと1700万円という非常に高値で売却されています。
ちなみに野田聖子大臣トークンと青年局メディアブリーフィングトークンは1300円ほどです。
「1300円なら買いだ!」と思われたかもしれませんが、
残念なことに岸田トークンはPOAPと呼ばれるNFTとなっており、こちらは他人に譲渡したり売却することができないNFTとなっているため、購入することはできません。
しかも後で詳しく解説しますが、このOpenSeaに出品されているトークンはすべて不正入手されたものが売られているんですよね。
岸田トークンや小泉進次郎トークンが出品されていないのは、不正入手できなかったからです。
入手できないのは残念ですが、この「岸田トークン」などの自民党トークンは今後日本に大きな変化をもたらすかもしれません。
「入手できないならどうでもいい」
「私には何の関係もないから買えないならブラウザバックしよ」
- 岸田トークンとは何か
- 我々にどのような変化をもたらすか
- 課題と展望
を軸に解説していきます。
岸田トークンとは
岸田トークンとは、イベントに参加したことを証明するために配布する記念バッジをNFT化したものです。
厳密にいえば自民党青年部局が発行する記念バッジのNFTの中の1つに岸田トークンがあり、他にも小泉進次郎トークンや野田聖子トークンなども存在しています。
記念バッジというぐらいですから、見た目は顔写真付きのスタイリッシュなバッジになっています。
NFTという嫌な言葉が出てきましたが、専門用語なしで解説するのでブラウザバックしないでください。
岸田トークンを理解するには、NFTを理解する必要があります。
そもそもNFTとは?
NFT(Non-Fungible Token)とはデジタル所有物のことです。
一般的に所有するということは、バッグやスマホ、家など目に見えて触れるモノを持つことを言います。
一方で、スマートフォンやPCの中にあるデータ、たとえばあなたのスマホのアルバムにある画像はあなたが所有していると言えますか?
もしくはあなたのLINEのアイコン画像は、あなたが所有していると言えますか?
もしかしたらあなたがLINEのアイコンに設定している画像は、インターネットから拾って来た画像かもしれませんね。
NFTが登場する前は、このようにデジタル上に存在するデータは、いくらでもコピーが可能でした。
いくらでもコピーが可能であるためそのデータは無価値であり、所有しているとは言い難かったですよね。
しかしNFTが登場したことによって、デジタル上のデータを所有することができるようになったのです。
イメージしやすいように言うと、画像なら、その画像の裏側のデータにあなたのハンコが押されていて、その画像があなたのものであると証明できるようになったのです。
だからその画像をスクリーンショットや勝手にダウンロードされても、それは複製されたもので偽物であると証明が可能になったのです。
FNNプライムオンラインから引用
たとえば上記の岸田トークンの画像ですが、FNNプライムオンラインから引用してきた画像なので偽物です。
もちろん、引用元のFNNプライムオンラインに添付されている岸田トークンの画像も、本物ではないコピーされた偽物の画像です。
このNFTという技術を活用して、デジタル上のアートが次々と高値で販売されるようになり、CryptoPunksと呼ばれるデジタルアートは13億円で取引されることもありました。
ではなぜ、政界でわざわざ売却も譲渡もできない岸田トークンを発行するのでしょうか?
岸田トークンを発行した目的
NFTはWeb3.0という新時代のインターネット技術です。
Web1.0→Web2.0と時代は進んできており、Web2.0時代はアメリカはGAFAMなどのメガテック企業が世界をリードするようになりましたが、日本はWeb2.0で世界をリードする企業が現れなかったのが現状です。
そして今新たな時代Web3.0が到来してきているのですが、たまにテレビやニュースで「NFT」というワードを聞くぐらいで、そこまで広く一般に浸透していないのが現状です。
友人や家族と話すときにNFTという言葉を使ったがある人はどれほどいるでしょうか。
試しに筆者が友人に「NFTってのがあるんだよ~」と話をしたことがあるのですが、完全にスルーされて終わりました!(笑)
自民党のデジタル社会推進本部NFT政策検討PTの提言書において、以下のように提言されています。
Web3.0(ウェブスリー)時代の到来は日本にとって大きなチャンス。しかし今のままでは必ず乗り遅れる。
アニメや漫画などの日本文化はNFTと相性が良いと言われており、日本経済成長の起爆剤として、政府はNFTなどのWeb3.0について真剣に考えてきているわけです。
岸田総理もWeb3.0にたびたび言及しており、自民党はWeb3.0を新たな成長戦略として考えて見据えているのかもしれません。
しかし先述した通り、NFTなどのWeb3.0は日本は後れを取ってしまっているのが現状です。
だから憶測にはなってしまいますが、NFTなどのWeb3.0を広く国民に知ってもらうために、政府が先陣を切ってWeb3.0を実際に体験することで、国民にWeb3.0を知るきっかけ作りをしたとも言えるわけです。
2022年6月上旬には街頭演説がWeb3.0の1つである、メタバースと呼ばれる仮想空間で行われることが決まっています。
政界で岸田トークンなどのNFTを活用できる
今後、岸田トークンや小泉進次郎トークンなどはイベントや集会・勉強会が行われた際に配布することを想定しているようです。
逆に言えば、イベントや勉強会に参加しなければ当然もらうことができません。
なのでたくさん岸田トークンなどのNFTを持っている政治家は精力的に活動していることが分かるわけです。
つまり政治家の見える化が進むかもしれません。
我々一般人にとっては、政治家がどのような活動をしているのか、どのような実績を残しているのかが分かりにくいという実情があります。
せいぜい、政治家の活動をテレビやニュースで報道されているのを見るくらいでしょう。
しかし政治家の活動がNFTによって見える化されれば、どの議員がどのような活動・実績を挙げているのかが一目で分かるようになるため選挙にも行きやすくなりますし様々な恩恵をもたらすでしょう。
もちろん、これが実現するためにはもっと岸田トークンなどのNFTが政界で活用されなければなりません。
岸田トークン最初の試みはトラブル発生
5月28日、はじめて岸田トークンなどのNFTが発行されましたが、Twitterで情報が漏洩してしまい
イベントに参加していない無関係の人でもトークンが入手できてしまうトラブルが発生しました。
※現在は修正されています。
その結果、冒頭で紹介した通りNFTの大手取引所OpenSeaで不正に入手できてしまったトークンが販売されています(購入はできません)。
NFTなどのWeb3.0は概念的な要素が多く、理解するのが難しいため、こういったトラブルが発生してしまうことがあります。
それゆえ参入障壁が高く、広く一般に浸透するのが難しくなってしまっています。
それを改善するために、NFTや仮想通貨といったWeb3.0に手軽に少しでも触れる機会を増やすことが大事でしょう。
教科書やインターネットでNFTについて学んでもピンと来ない方がほとんどだと思います。
だからこそ、実際に自分の手で動かしてみるのがWeb3.0を理解する最大の近道でしょう。
それを自民党が今やっているわけですね。
【まとめ】岸田トークンで流れを変えれるか
NFTはアニメ・マンガなどの日本文化と相性が良く、日本経済の成長の起爆剤になりうるとても重要なものとして政府は位置づけています。
その一方で欧米などの先進国よりも遅れてしまっている現状がある中、政府が率先してNFTを活用しました。
さらに仮想空間メタバース上での街頭演説を予定することや仮想通貨の税率を下げる動きがあるなど、政府はWeb3.0をかなり推進しています。
実際、岸田トークンが発表された時、メディアで取り上げられ注目を浴びることに成功しています。
これをきっかけにWeb3.0が注目され日本に浸透し、日本経済の起爆剤となるのでしょうか。
筆者としてはNFTやWeb3.0の可能性を信じているので、もっと盛り上がることを期待しています!
今後の展開に目が離せません。