NFTの情報を見ていると「ミント」という言葉をよく目にするのではないでしょうか。
「NFTのミントってなに?」
「NFTのミントはどうお得なの?」
「ミントしたいけど仕組みや方法がわからない」
そんなお悩みを解決します!
この記事では、NFT用語である「ミント」の意味や投資における重要性、「ミント」に関して知っておきたい知識について解説していきます。
・ミントとはNFTがブロックチェーン上に刻まれること
・ミントすればNFTを安く購入できる
・ミントには次の3つのパターンがある
「プレセール」「パブリックセール」「エアドロップ」
・プレセールで購入する手順とポイント
・NFTミントのリスク
NFTにおけるミントとは
NFTにおけるミントとは、「NFTがブロックチェーン上に刻み込まれること」を指します。
では、NFTがブロックチェーン上に刻まれるタイミングとはいつなのか?というと、それは、最初にNFTが購入されるタイミングです。
それゆえ、ミント=「最初にNFTを購入すること」を指す場合もあります。
厳密には、NFTは誰かに購入される前にブロックチェーン上に刻み込まれる(=ミントされる)こともあります。
しかし、ブロックチェーン上に刻み込む作業には手数料(ガス代)がかかるため、最近では購入成立時に初めてミントされることも多くなっています。
これを「Lazy mint(レイジーミント:怠惰なミント)」などと呼びます。
世界最大のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaは、このレイジーミントを採用するようになりました。
つまり、購入成立するまではNFTは単なるOpenSea上のデータでしかない、ということになります。
NFT投資の鍵となるミント
NFTをミントするということは、あなたがNFTの最初の保有者になることです。
つまり、プロジェクトから直接NFTを購入する(または無料で受け取る)ため、後に高額になるNFTを破格(=ミント価格)で購入できる可能性があります。
人気プロジェクトのNFTをミントすれば、NFT売買で利益が狙いやすいということです。
上場前の仮想通貨のプレセールに似ていますね。
どんなミント方法があるのか
約1年前の2021年4月、今では最も有名なNFTコレクションの一つになったBored Ape Yacht Clubは、OpenSeaにて一般販売(ミント)されました。
【参考】Bored Ape Yacht Club(BAYC)とは | コミュニティ要素が強いNFT
ミント価格はなんと0.08ETH。(現在の最低価格は100ETH!)
当時はレイジーミントという考えはなく、一般販売=ミントだったのですが、まだ手数料も安く、大量のデータを一気にリリースしても運営にとってなんら不都合はありませんでした。
しかし、NFTのマーケットが盛り上がりを見せてきている現在、プロジェクトが行うNFTの販売方法(=ミントの種類)は多様化してきました。
ここでは、ミントを大きく3つのパターンに分けて解説していきます。
ミントのパターン3つ
ミントのパターンは「プレセール」「パブリックセール」「エアドロップ」の3つに分類できます。
下の表は、筆者が現時点でのNFTプロジェクトのミントを分類してまとめたものであり、NFT業界で正式に定義されているものではありません。
※ 個人のクリエイターのNFT販売についてはパブリックセールのみであることが一般的です。
ミントのパターン | 内容 |
プレセール (ホワイトリストミント) |
先行販売。パブリックセールに先立ち、コミュニティー等において限定販売され、応募当選者がミントする。パブリックセールよりも安価に購入できることが多い。ホワイトリストと呼ばれる購入承認者リストに登録する手順を踏むことが多く、ホワイトリストミントということもある。 |
パブリックセール (パブリックミント) |
一般販売。パブリックミントともいわれる。プロジェクトの公式サイトやOpenSeaなどのマーケットプレイスに出品され、誰でも購入することができる。オークション形式になることも。人気NFTは購入注文が殺到するため早い者勝ちの厳しい競争となる。 |
エアドロップ | 運営が、限定コミュニティーやNFT保有者に新たなNFTを無料で配布するミント。 |
一つずつ詳しく解説していきます!
プレセール
NFTコレクションの先行販売を指します。
プレセールはパブリックセールの直前の数日間、または数時間だけ行われることが多いです。
具体的には次のような流れが一般的です。
- TwitterでDiscordチャンネルの招待リンクがシェアされる
- Discord内のアナウンスでホワイトリストへの募集が始まる
- 希望者は、運営が示す要件をクリアすればホワイトリストにウォレットを登録できる
- 当選した人はプレセール期間中にNFTをミントする
なお、一般的に、プレセール価格は0.1ETH以下に設定されることが多く、この価格をミント価格といいます。
パブリックセール
NFTコレクションの一般販売を指します。
プロジェクトの公式サイトやOpenSeaなどのマーケットプレイスで広く一般に販売され、人気のNFTは数時間で売り切れることもあります。
早い者勝ちで売れていくため、高いガス代を支払うことで早く処理を完了させようとする購入者がひしめく、いわゆる「ガス戦争」が起きることがあります。
なお、取引に失敗して購入できなかったとしても、取引手数料は返金されないことが多いため、購入時には注意が必要です。
エアドロップ
DiscordコミュニティやNFT保有者に対し、運営側が特典として無料でNFTを配布することを指します。
プレセールとパブリックセールの順番は前後しませんが、エアドロップはいつ実施されるかはわからず、なにがもらえるかもプロジェクト次第です。
任天堂ゲーム・マリオのはてなボックスがポンッと出てくるイメージが近いのではないでしょうか。
配布方法もさまざまで、長期保有によりすでに持っているNFTが進化する(追加アイテムが発生する)という形をとるものもあります。
また、別の関連プロジェクトのNFTがもらえることもあります。
例えば、BEANZ Officialという豆のキャラクターのNFTは、Azukiの保有者にエアドロップされた土のNFTから始まったコレクションです。
【参考】NFTコレクション「BEANZ Official(ビーンズオフィシャル)」とは?ー2週間で65億円の売上げを記録
NFTプロジェクトにおけるエアドロップは単なるボーナスではなく、そのプロジェクトに関わっていることで得られるメリットを示すことで、プロジェクトからの離脱を防ぎ、プロジェクトの価値を高めるために行われている側面もあります。
ホワイトリストミント(プレセールで購入)するには?
NFT投資家にとっては、人気のNFTを安く購入できたら嬉しいですよね!
パブリックミントは早い者勝ちの熾烈な競争になりますが、ホワイトリストミント(プレセールでの購入)の場合は、当選さえすれば購入枠が確保できます。
ここからは、ホワイトリストミントするために知っておきたいことについて解説していきます。
ホワイトリストミントの手順
上述したプレセールの一般的な流れに乗るには、次の①~④の手順が必要です。
- プロジェクトのTwitterをフォローしてDiscordチャンネルに入る
- Discord内のアナウンスでホワイトリスト募集開始を待つ
- 運営が求める要件をクリアしてホワイトリストにウォレットを登録する
- 当選すればプレセール期間中にNFTをミントする
ここでは、③・④についてのポイントと解説していきます。
ホワイトリストミントのポイント4つ
①プロジェクトへの貢献度が評価される
一般的にNFTプロジェクトは、良い意味で注目されて多くの人に拡散されることを望んでいます。
つまり、それに積極的に貢献することで、ホワイトリストへの登録および当選がしやすくなると言われています。
具体的には、Discordチャット内での発言頻度や友達の招待数などが指標となります。
また、近日発売のコレクションについてツイートすることで、情報発信に協力してくれる人たちにTwitterのホワイトリストの枠が与えられることもあります。
②ホワイトリストの要件は厳しくなってきている
ホワイトリストミントのための要件はさまざまですが、NFTの人気が上がるにつれて厳しくなっていることは明らかです。
最近は、手間と時間、場合によってはお金がかかる要件(指定のNFTを購入するなど)も出てきており、多くのNFT投資家はそのプロセスを「グラインド(骨が折れる作業)」と呼ぶまでになっています。
また、ホワイトリストへの登録が難しく煩雑になったことで、海外ではホワイトリストミントの代行業者も出てきたようです。
代行業者は、Discordの招待リンクの提供や、依頼者のアカウントを使ってDiscord内で積極的に発言するなどの作業を代行して利益を得ます。
代行業者を使う人がどれほどいるのかはわかりませんが、ホワイトリストミントのハードルが高くなっていることがわかりますね・・・。
※ あくまでNFTミントに関する現状をお伝えしているものであり、代行業者を利用することを勧めるものではありません。
③ミントするNFTは選べない
当選してミントする権利が手に入ったとしても、どの作品をミントするかは選べないことが多く、ミントするNFTの希少性を事前に知ったりコントロールすることはできません。
NFTの公開は、一般販売後に、全コレクションのミントが完了した時点で行われることがあります。
OpenSeaを見ていると、稀に、コレクションすべてが同じ画像のNFTになっていることがありますが、これは、プレセール中(または一般販売中で売り切れ前)でNFTの内容が明らかにされていない状態だと考えられます。
④NFTプレセール開始を装った詐欺が多発
また、気を付けていただきたいのが、DiscordでのNFTプレセール開始を装った詐欺です。
プロジェクトの管理者を装って個人的にミントのリンクをメッセージで送り、不正に資金を奪う等の詐欺行為が多発しています。
こうした悪意あるメッセージに騙されないように注意しましょう。
NFTミントのリスク
最後に、NFTをミントする際のリスクについてご紹介します。
ホワイトリストミントやパブリックミントができれば必ず利益を出せるのかというと、それは違います。
NFTは、ビットコインなどの代替性がある(唯一無二ではない)トークンと比べ売買できるプラットフォームが少なく、マーケットも小さいため、買っても売れないことがあります。
また、NFTをOpenSeaなどの二次流通市場で売ろうとしても、プレセール価格や一般販売価格よりも高い価値が付く保証はありません。
そして、上で述べたとおり、ミントに関連する詐欺も多発しており注意が必要です。
NFTミントをする際にはこうしたリスクも念頭に入れておきましょう。
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