【図解】NFTの全体像をわかりやすく解説|Web3.0エコシステムとNFT

1つのデジタルデータに億を超える価値が付くなどで話題となっているNFT

Web3.0業界では、NFTという言葉を聞かない日はありません。

でも、NFTについて、このように感じている方も多いのではないでしょうか。

「複雑でわかりにくい。NFTはどの通貨で売買すれば良いの?」

「NFTのプロジェクトってなに?アート作品じゃないの?」

「落書きのような作品がなぜ高値を付けて話題になっているのかわからない。」

「買ってみたいけど、なにを基準に買えば良いのかわからない。」

実は、これらの疑問は、Web3.0の全体像と、NFTプロジェクトの仕組みを知ることで解消します!

この記事では、数ヶ月前まで同じ疑問を抱いていた筆者が、NFTの「?」をわかりやすく解説しています。

本題に入る前に・・・

基本用語の確認

この記事では、できるだけ専門用語を使わずに解説していきますが、「ブロックチェーン」「NFT」「Web3.0」「メタバース」という基本的な用語の理解は必須です。

ここで簡単に説明していますが、「詳しく知りたい!」「おさらいしたい!」という方は、ぜひ参考記事をご覧ください。

きっと、今後の投資やWeb3.0との関わりのなかで役に立ちますよ。

・ブロックチェーン
仮想通貨を支える技術であり、データをみんなで管理・監視して、不正ができなくなる非中央集権型のシステムのこと。
【参考記事】そもそもブロックチェーンとは?基本的な仕組みの話

・NFT
デジタルデータに鑑定書のようなものを付け、そのデータがオリジナルであると証明する技術やそのデータのこと。
【参考記事】NFT(エヌエフティ―)とは?

・Web3
ブロックチェーン技術による非中央集権的な次世代インターネットのこと。
【参考記事】Web3.0とは?インターネットの民主化がもたらす未来像と課題

・メタバース
Web3.0インターネット上の仮想空間のこと。
【参考記事】メタバース(Metaverse)とは?

(NFT用語集はこちら

NFTはWeb3.0の「点」である

なぜNFTはこれほど複雑でわかりにくいのでしょうか。

実は、NFTはWeb3.0という大きなエコシステムの一要素に過ぎず、他のあらゆるサービスとも絡み合っているため、NFT一点だけを見ているとややこしく感じてしまうのです

まずWeb3.0の全体(点ではなく面)を知り、NFTがどのような位置づけなのかを理解したうえで、NFTについて知っていきましょう!

Web3.0のエコシステム

始めに、NFTを理解するうえで重要なWeb3.0のエコシステムについて解説させていただきます!

そもそも「エコシステム」とは?

最近のバズワードである「エコシステム」

本来は、「動物や自然環境がお互いに影響し合い共存する生態系」を指す言葉ですが、最近よく使われる「エコシステム」は経営やIT分野における新語です。

少し意味が広い言葉なので、人や場面によって指すものが異なるようですが、ここではWebの観点から筆者の解釈を交えて説明していきたいと思います。

Web3.0時代の「エコシステム」

エコシステムが指すものは、Web2.0とWeb3.0で違いがあります。

具体的には、Web2.0では「(プラットフォームの)経済圏」を指すことが多く、Web3.0ではもっと広く、「相互に作用し共存する一つの経済共同体」を意味する傾向があります。

このWeb3.0で使われるエコシステムの意味として、コトバンクの定義がしっくりきたので引用します。

複数の企業が商品開発や事業活動などでパートナーシップを組み、互いの技術や資本を生かしながら、開発業者・代理店・販売店・宣伝媒体、さらには消費者や社会を巻き込み、業界の枠や国境を超えて広く共存共栄していく仕組み。
(引用元:コトバンク -エコシステム-

こうした仕組みはWeb2.0にもありますが、Web3.0ではブロックチェーン技術によって、これまでよりも広い範囲で透明性高く、非中央集権的にこの仕組みが行き渡るようになったと考えられます。

インターネット全体が一つのエコシステム

Web3.0では、ブロックチェーン技術と関連サービスの発展により、すべての境界線が曖昧になってきています。

例えば、「国境」「現実と仮想」「業界」の境界線です。

しっくりこない場合は、メタバース(仮想空間)をイメージしていただくとわかりやすいですね!

世界中の人々が、アバターとなってインターネット上の仮想空間に集まり、そこには現実と同じような経済圏(不動産やファッションブランドなど)がある。

そして、メタバース内での活動が現実世界にも直接的に価値をもたらす・・・。

Web3.0は、その境界線の曖昧さでもって、すべてが繋がり、すべてが互いに影響し合う一つの経済共同体となっているのです。

Web3.0関連のサービスを理解するうえで、このイメージはとても大切ですので、ぜひ覚えていてください!

すべてが繋がっているが故の「捉えにくさ」

「すべてが繋がっている」ということで可能性が広がる一方で、それ故の複雑さや混沌感で満ちあふれているのが現在のWeb3.0といえます。

これこそが、筆者がWeb3.0の世界に入って強く感じた「捉えにくさ」です。

すべてが繋がっているということは、逆に言えば「すべて切り離せない」ということ。

そして、それら切り離せないものを便宜上※、切り離して分類し、名付けていることが、Web3.0をさらに捉えにくい存在にしているのだと思います。

(※それぞれの専門分野が異なること、マーケティングの事情、ユーザーのわかりやすさが優先されるなど)

 

例えば、Web3.0のサービスを表す言葉として次のようなものがあります。

・仮想通貨
・メタバース
・ブロックチェーンゲーム
・NFT

詳しく知らなければ、それぞれが別のサービスでそれぞれのエコシステムがあると思いがちですが、実際はすべて繋がっています。

つまり、ブロックチェーンゲームの仮想空間はメタバースだし、土地やアイテムはNFTなのです。

そして、土地やアイテムなどのNFTは、見える化されたトークン=仮想通貨なのです。

※ただしNFTはビットコインなどの仮想通貨と違い、代替はできない。

Web3.0の「便宜上切り離して分類している」という表現が腑に落ちたのではないでしょうか。

Web3.0サービスの本質は同じだが「哲学」は異なる

つまり、Web3.0サービスの本質はすべて同じようなもので、いずれも「ブロックチェーンが管理するデータ」を扱っているため、繋がって当然なのです。

それがWeb3.0であり、そこに世界中から多様な哲学を持った人たちが集まります。

「稼ぎたい」「ゲームを楽しみたい」「自分を表現したい」「プロジェクトを作りたい」・・・

参加者がそれぞれの軸とする価値観のもと、ときには投資家、ときにはクリエイター、ときにはゲームの主人公として、思い思いにWeb3.0を楽しみ、価値を見出している。

そうして一つの大きなエコシステムができあがっているのです。

 

長くなりましたが、以上がWeb3.0のエコシステムの全貌です。

曖昧で複雑ですが、とても壮大で未知の可能性を感じられますね!

「NFT」が含む4つの意味

さて、やっとNFTの話題に入っていきます!(Web3.0を語り出すと止まりませんね・・・)

実は、NFTという言葉もザックリしたワードであり、場面や分野でいくつかの意味を持っています(すべて完全に切り分けはできない)。

この記事でクローズアップするのは、④プロジェクトのNFTです。

①技術としてのNFT ・・・唯一無二を証明できる技術そのもののこと。
②アートとしてのNFT ・・・NFT化されたアート作品のこと。
③アイテムとしてのNFT ・・・メタバースやブロックチェーンゲーム内での土地や武器等のアイテムのこと。
④プロジェクトのNFT ・・・Web3.0のプロジェクトに付随するNFTコレクションのこと。高値が付いて話題になるのはこのNFT。
 ※↑この記事で深掘りするのはこちら。プロジェクトのことを「NFTプロジェクト」と呼びます。

NFTプロジェクトの全体像

ここからは、NFTプロジェクトの全体像について、ブロックチェーンの棲み分けや、誰がどんな役割で関わっているのかについて、図を用いてわかりやすく説明していきます!

各NFTプロジェクトには基盤となるブロックチェーンがある

こちらの図は、Web3.0のブロックチェーンの棲み分けを表したものです。

Web3.0では基本的にブロックチェーンごとに棲み分けがあり、使える通貨も違うのでそれぞれが独立した国のようなイメージです。

なぜイーサリアム国とポリゴン島は繋がっているのか?
NFTにおけるブロックチェーンの概要は、NFT用語集の「ブロックチェーン」で解説しています!

各ブロックチェーンはそれぞれ特徴を持っており、あらゆるWeb3.0サービスは、ブロックチェーンごとに別々に存在します。

NFTでメジャーなイーサリアムチェーン

イーサリアム国(ブロックチェーン)をクローズアップするとこのようなイメージです。

メタバースやゲーム、無数のアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)、NFTプロジェクトがイーサリアム上に作られています。

そして、高値で取引されて話題になるNFTのほとんどはイーサリアム上にあります

イーサリアムは現在のNFT界で最もメジャーなチェーンなのです。

【参考】図に例として載せているコンテンツの記事はこちら
メタバース系ゲーム「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」の始め方
Polka Fantasy(ポルカファンタジー)とは?特徴や始め方を解説【2次元文化×NFT】
CryptoPunks(クリプトパンクス)とは VISAなど大手企業も購入するNFT
Bored Ape Yacht Club(BAYC)とは | コミュニティ要素が強いNFT
NFTのGoblintown.wtf(ゴブリンタウン)とは|ロードマップや実用性なし!型破りNFTの全貌と人気のワケ

NFTプロジェクトの全体像

一般的なNFTプロジェクトの要素と関係を簡単にまとめた図がこちらです。

プロジェクトの流れを追えるように①~⑥の番号を付けてみました。

これがわかればNFTプロジェクトは怖くない!一つずつ見ていきましょう。

①運営チームがプロジェクトを立ち上げます。

②運営チームは、プロジェクトの目的、計画(ロードマップ)、NFTホルダーの特典(ユーティリティ)を示し、共感・応援してくれる人を募ります。

③②の情報は、Twitterで宣伝されることが多く、Twitterからプロジェクトの公式サイトやDiscordへの導線があり、ユーザーはより詳しい内容を確認することができます。

④NFTは、単なるデジタルアートではなく、「コミュニティメンバーの証」であることが多く、プロジェクトの独自メタバース参加権や、トークンエアドロップなど、なにかしらの実用性を備えています。

⑤プロジェクトに共感した人や、ユーティリティに魅力を感じた人、将来性に投資したい人などがNFTを購入します。
購入のプロセス(ミント)は詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【参考記事】NFTにおけるミントを徹底解説。投資に役立つ!NFTを最初に購入する手順とポイントも解説。

⑤’NFTホルダーはDiscordにおいて運営チームと相互にコミュニケーションし、プロジェクトを進めていきます。時にはプロジェクトの重要事項がメンバーの投票で決定されることもあります。

⑥NFTホルダーは、マーケットプレイスと呼ばれる二次流通市場で、自分の持っているNFTを自由に売ることができます。
人気のNFTには高値が付き、瞬く間に話題になり、メディアなどで取り上げられます。
【参考記事】NFTマーケットプレイス(取引所 )とは?最初はココ!OpenSea(オープンシー)について解説

まとめと冒頭の疑問の答え

NFTの全体像について、Web3.0という広い部分から、プロジェクトの構造まで解説させていただきました。

簡単にこの記事の情報をまとめると次のようになります。

  • Web3.0は一つの大きなエコシステム。境界線が曖昧ですべてが繋がっている世界。
  • そのエコシステムの中の一要素としてNFTが存在する。
  • NFTという言葉は「技術」「アート」「アイテム」「プロジェクト」の4つの意味を含んでおり、よく話題になるのは「プロジェクト」のNFT。
  • NFTプロジェクトは、運営チームの理念に共感したユーザーが特典付きNFTを購入し、目標に向かって共にプロジェクトを進めていくもの。

 

最後に、冒頭の疑問の答えをまとめておきます。

NFTはどの通貨で売買すれば良いの?
NFTはブロックチェーン上に存在するため、売買にはそのNFTが属しているブロックチェーンの通貨を使う必要があります
NFTプロジェクトってなに?アート作品を買うだけじゃないの?
BAYCなどのNFTは、Web3.0のプロジェクトに付随するNFTアートのコレクションです。
一つ一つのNFTコレクションの背景には世界中の人々が参加するユニークで壮大なプロジェクトが存在します。
落書きのような作品がなぜ高値を付けて話題になっているのかわからない。
高額なNFTは、アートとしての価値というよりは、背景にあるプロジェクトの目的やユーティリティの価値が反映されていることが多いです。
また、有名人や企業がそうしたNFTを購入することで、さらに話題を呼んで価格が上がり、その価格だけが取り沙汰されている場合もあります。
NFTに価値が付いている理由が、プロジェクトの本質的なものなのか、単なる話題性だけのことなのか、見極めることが大切です。(ただ、これは大変難しいことです。)
買ってみたいけど、なにを基準に買えば良いのかわからない。
NFTの価値は、レアリティ(レア度)だけでなく、プロジェクトの認知(人気)度、目的やコミュニティの強さ、ユーティリティに強く影響されます。
運営チームの言動、プロジェクトの目的、意義、社会的価値などから、「応援したい!一緒に作りたい!」と思えるプロジェクトに参加する(=NFTを購入する)と楽しいと思います!
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